fictional narratives #04 

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「この島では非常に豊かに金を産するので国民はみな莫大な量の黄金を所有している。 

それに大陸からは、商人さえもこの島へこないので、黄金を国外に持ち出されなかった。

いま話したように、莫大な黄金もあるのもそのためである。 

　また、この島にある国王の宮殿の、その偉観について述べよう。

この国王は、すべて純金で覆われた、非常に大きな宮殿を持っている。 

われわれが家や教会の屋根を鉛板でふくように、この宮殿の屋根は全部純金でふいている。 

その価値はとても評価できるものではない。さらに宮殿内の各部屋の床は、全部指二本の厚みのある純金で敷きつめている。 

　このほか広間や窓も、いっさいがすべて金でかざりたてられている。 

実際、この宮殿の計り知れぬ豪華さは、いかに説明してもとても信用されないほどである。」 

 

（東方見聞録, マルコ・ポーロ著, 長澤和俊訳, 1995, pp185-pp186）